ミクロモザイクとは

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✳️ micro mosaic 英語読みではマイクロモザイク。イタリア語読みではミクロモザイク。

1.ミクロモザイクの歴史

17世紀、サン・ピエトロ大聖堂の大修復の際にバチカンにモザイク工房が設置され、数多くのモザイク職人が誕生します。この当時は、大聖堂の建築物修復のためのモザイク技術として継承されました。

しかし職人たちは修復が完成してしまうと職を失ってしまいました。そこで彼らは身につけた技術で稼ぎを得るために、持ち運びのできる小さなモザイクの作品を作ることを考え生まれたのが装飾品としてのミクロモザイクでした。

18世紀に入るとヨーロッパの貴族の子弟たちが見聞を広めるために主要都市を訪れる「グランドツアー」が流行しました。特にローマは遺跡も多く人気の地でした。当時イギリス貴族の子弟がローマを訪れた記念品としてミクロモザイクが人気を博しました。その頃は写真が一般的ではなかった時代、ローマの遺跡や大聖堂、風景画、民族衣装に身を包んだ女性、イギリス貴族が好む狩猟をモチーフにした野生動物や犬などが描かれていました。ローマンモザイクと呼ばれる初期の作品は単色のガラスパーツを並べて描かれています。犬の毛なみや建築物の1本ずつ細く細かいガラスを並べた描写のテクニックは19世紀にはなくなったといわれる幻の技術です。

20世紀前半、コスチュームジュエリーが流行した時代には金太郎飴のように細工した極小のガラスパーツを並べ緻密で手の込んだ装飾品が登場して人気になります。ココ・シャネルが宝石の価値よりデザイン・ファッション性を重視した時代背景があり、ミクロモザイクも貴金属のベースから合金を用いれられながらも美しい細工が施されています。フィレンツェ を中心に作られていたお花などの金太郎飴のようなパーツを配置する技法はガラスを配置する手間を大幅に簡易化しましたがそれでも大変手間のかかる作業です。

現在ではその技術を継承する職人も少なくなり工房も少なくなってしまいました。ベネチアやローマで見かけるカラフルなブローチやピルケースは嵩張らず手頃なお土産品として人気があります。その一方でドルチェ&ガッパーナのバッグやサングラス、ピアジェの時計の文字盤に使われるなど現代のファッションとして高い技術の作品が制作されています。

写真を交えながらの説明だとわかりやすいかと思いますが、何分にも高価な物ですので、私のコレクションには限りがあります。

亥辰舎から出版されている『マイクロモザイク図鑑』をご覧いただくと貴重な作品がご覧頂けます。

2.ミクロモザイクの作り方

  1. ベース皿に専用の粘土を敷き詰める。
  2. カットしたガラスパーツを隙間なく並べ描く
  3. パーツが動くことなく埋まったら平坦な面に表面を押し付け表面を平らにする
  4. 完全に粘土を乾燥させたら完成

参照『マイクロモザイク図鑑』亥辰舎 なかの雅章 岩田依子著 

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